スイッチの対象者と選び方

■身体状況と求められる支援方法、機器

周囲へ発信するコミュニケーションが困難となる理由は一般に「身体(上肢)障害」「言語障害」のいずれか(または両方)が原因です。

まず、これからコミュニケーション機器を導入しようとしている方の状況と必要な支援機器がどのような物であるかを理解して頂く必要があります。障害に応じた機器とその支援方法、機器について、以下の表にまとめました。まず最初にこの表から、導入を検討している方がどのエリアに該当するのかを確認してください。

マイスイッチ資料4-1N

 

このサイトで紹介する「入力スイッチによる機器操作」に該当するのは、第2,4,6のエリアで、具体的には、以下の疾患を持つ方が主な対象です。
■脳幹出血、脳梗塞、脳血栓などの脳障害の後遺症で手が不自由となった方
■ALS(筋萎縮性側索硬化症)、パーキンソン病、多系統萎縮症、脊髄小脳変性症、筋ジストロフィーなどの神経難病の方
■脳性麻痺などで身体が不自由な方
■その他、加齢などにより、手や指先等による複数のボタンの押し分けが困難となった方

 以下、領域別の身体状況と求められる支援機器の補足説明を記載します。

<第1エリア>
健常者に近い状況と考えられるため、一般の機器を工夫して使うことで対応できる場合が多い。

<第2エリア>
発声発語が不自由であるが、手指はある程度使えることから、伝えたいことをペンや指さしで表記することで代用可能。専用機器としては「ぺちゃら(パシフィックサプライ製)」などがある。また、iPadのアプリで、「トーキングエイド」や「Talking Pad」を活用して意思疎通することも可能。

<第3エリア>
声で人に伝えることは問題無いが、手が不自由なため、「ペンで書くこと」や「本をめくる」等の昔ながらの基本動作にくわえ、「電化製品のリモコン」や「パソコンのキーボード、マウスの操作」も難しいという方が相当する。
軽度の障害なら、パソコンはOSに付属のアシスティブ機能とトラックボールなどを組み合わせることである程度補うことができる。またリモコンは高齢者を対象とした比較的使いやすい製品を選択することで対処できる場合もある。
しかし、障害が重度になると、パソコンなら「オペレートナビ(テクノツール製)」、「ハーティラダー(ハーティラダーラボ製/フリーソフト)」など上肢障害の方を対象とした外部入力スイッチを活用し、「1スイッチ・オートスキャン方式」や「2スイッチ/ステップ入力方式」などの方法で(時間はかかるが)確実に操作する方法もある。

<第4エリア>
「第2エリア」の発生発語と「第3エリア」の手が不自由という両方の障害を持つ方が該当する。
手も不自由なため第2エリアのような機器で会話を行うことはできない。よって、第3エリアとどうように入力スイッチを活用して、機器の操作とコミュニケーションの両方を補う必要がある。
コミュニケーションでは、合図を決めてやりとりしたり、透明文字板などのようなローテクから、「レッツ・チャット(パナソニック)」「伝の心(日立)」のような意思伝達装置の導入、「オペレートナビ」、「ハーティラダー」にテキスト読上機能を追加して音声で意思を伝えるなどの方法がある。また、これらの機器には赤外線リモコン機能もあり、テレビをはじめ赤外線で操作できる家電製品を入力スイッチのみで操作する機能を付加することができる製品もある。
これらを上手に使えば、入力スイッチ一つだけで(時間はかかるが)かなりのことを自分一人で行うことも可能となる。

<第5エリア>
身体状況は「第3エリア」と同等であるが、言語見習得の子供のため、文字を綴ることができない状況にある。そのため思いを伝えるにはその状況を示したイラストや写真を手で指し示す必要がある。このとき、単純なボードに選択肢を並べて、本人に指し示してもらうこともできるが、IT機器を活用すれば、指し示すと同時にそれに該当する文字が示され、その音声が発せられる機器を活用すれば、言葉の学習にもなる。

<第6エリア>
身体状況は「第4エリア」と同等であるが、言語見習得の子供のため、オートスキャン方式を用いても、選択あ肢が文字では選べない状況にある。そのため思いを伝えるにはその状況を示したイラストや写真をオートスキャン方式の選択肢とする必要がある。ただし、いきなりイラストから選んでもらうにも入力スイッチの理解もできていないと考えられ、まず入力スイッチの理解と使い方を習得してから、オートスキャン方式で自分の意図するイラストを選んでもらうようにする必要があるため時間がかかる場合が多い。

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