2. 入力スイッチの選び方


2. 入力スイッチの選び方

意思伝達装置の導入でまず大切なのは入力スイッチを選ぶことです。確実に動く体の部位を使ってオンオフができ、思うように機器を使うことができる入力スイッチ、そんな患者のQOLを上げることができる入力スイッチを選んでいきましょう。
色々な入力スイッチ

2-1. 身体の部位を選ぶ

入力スイッチを操作するための身体の動く部位を探します。
どんなにかすかな動きでも、ふるえる動きでもよいのです。
患者本人の意思で繰り返し安定して動かせる」部位を見つけましょう。
3-1.入力スイッチを体のどこで操作するか考えるを参考にしてください。

2-2.設置や固定の方法を選ぶ

どんな入力スイッチを使う場合でも、持ち方や置き方の角度などを調整する「適合」が必要です。
本人が操作しやすいことと同じぐらい、家族や支援者にもわかりやすい、シンプルな構成と手順にすることが大切です。
特別な構成や手順が必要な場合は、うまく使えている時の写真を撮って印刷する、手順を紙に書いておく、または動画を撮るなどの方法で情報を共有しましょう。

2-3.環境の変化を考える

入力スイッチの設置を考えるときに、身体の向きや角度、ベッドか車椅子か、家か学校か病院かなど姿勢や環境が変わった時のことも考慮しましょう。
以下の例は、ベッドのギャッジアップで入力スイッチがずれないように工夫した方です。

ピンタッチスイッチを利用中
ピンタッチスイッチを口の前に固定する必要があったことからUSBヘッドセットを購入、ケーブルやマイクなどを切断して、マイクのワイヤーにピン タッチスイッチのセンサーを沿わせ、口の前の

2-4.誤動作に配慮する

誤動作は、いろいろな原因で起こりますが、まずは操作していない時は入力スイッチがONになってしまわないようにすることが大切です。
操作はしやすいが、呼び出しブザーが間違いでなってしまうというのではQOLはよくなりません。
特にセンサータイプの入力スイッチは感度調整や設定の変更で工夫が必要な場合があります。
例えば、空気圧のセンサーはベッドの振動やエアマットの動きに反応することがありますので、よく確認して設定しましょう。

2-5.本人が動作確認できるようにする

本人が入力スイッチを使えているのか、呼び出しブザーが鳴っているか確認できるようにしましょう。
4-3.本人が動作確認する方法を参考にしてください。

2-6.使用感の良いものを選ぶ

入力スイッチは長い時間使うことが多いため、関節の位置、皮膚への負担に注意しましょう。

  • 押しているとだんだん関節が痛くなり、変形するようなことはないか
  • 靴ずれの様にあせや摩擦で皮膚に負担がかかっていないか
  • ベルトやテープでかぶれていないか

注意して確認しましょう。

2-7.症状の変化を考える

進行性の病気の場合、今使いやすいことと同じように、少し先のことを考えることも大切です。どのようなタイミングで、どのような入力スイッチを提案するのか検討し続けなくてはなりません。
3-3.進行性の病気についてを参考にしてください。